HAMA MAIL
HAMA-JIN interview 9
up date 2006年12月
内容は発行当時のものです。
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清塚 信也さん

<プロフィール>
1982年11月13日東京生まれ。
2001年3月、桐朋女子高等学校(共学)を首席で卒業後、4月桐朋学園大学付属ソリストディプロマコース入学。
2002年第2回フランツ・リスト国際ピアノコンンクール(ポーランド)ディプロマ。2004年第1回「イタリアピアノコンコルソ」金賞受賞。2005年3月、日本ショパン協会主催「ショパンコンクール」第1位。2006年9月、ザイラー国際コンクールで第3位。
10月フジテレビ月9ドラマ「のだめカンタービレ」千秋役の吹き替えピアノ演奏を担当。
2007年春東宝系封切り予定の映画「神童」で主人公ワオ役の吹き替えピアノ演奏担当し、講師役でゲスト出演する。

『清塚信也ピアノリサイタル』が2007年1月30日(火)杉田劇場(磯子区民文化センター)で行われた。


http://www.konami.jp/music/kiyozuka/

清塚信也さん interview


「自分自身のこれからが楽しみです」


フジテレビのドラマ「のだめカンタービレ」で、主人公の千秋役の吹き替えピアノ演奏を担当している清塚信也さん。
ピアノを習う前から絶対音感を身につけて、今もなお、その才能を進化させています。24歳の若きピアニストが何を思い、鍵盤を叩くのか。そんな、自分自身の想いをしっかりと持ち、今後様々なジャンルとの夢のコラボ企画を練っているとう、いま注目のピアニスト清塚信也さんへインタビューしてみました。


ピアノを始めたきっかけ

2つ上の姉がバイオリンを習っていて、それが我が家の大本命でした(笑)。
姉がバイオリンだったので違うことをやりたかったという思いがあり、家にあったピアノを見よう見まねで触っていました。姉が通っていた音楽教室にも連れて行かれていたのですが、最初は遊んでいました。だんだん好きな時に授業を聞いたりして、気がついたらピアノを習う前から絶対音感がついてしまっていて。それがきっかけだったのではないでしょうか。

5歳でピアノをはじめて、7歳で教室に通いはじめたのだとか

1クラス十数人の音楽教室の中でも男がずっと1人でした。音楽の英才教育というと、筆記や演奏だけではなく、歌ったり、踊ったり、身体で覚えようという時間があるんです。そういう場合は2人1組になりなさいなんていうことが多く、僕も女の子も照れくさいくって、すっごい苦しみましたね。

ピアノを続けてきた理由

音楽が好きだから。高校入ってから、自分の気持ちが表現できるものが何かと考えたときに、身近にあるピアノだったんだと気がつきました。それまでは親の叩き込みが大きかったんじゃないでしょうか。

ピアノ以外の楽器をやってみたいと思ったことはありますか

基本的に僕は理屈っぽい人間なんですよ(笑)
ピアノ以外の楽器って、バイオリンにしても、フルートにしても、割と旋律楽器が多いんです。そうするとメロディの綺麗さとか、メロディの解釈とかは考えられるけど…。ピアノはむしろメロディだけではなく、作曲家的な方を考えなくてはいけない楽器なんです。そういうピアノ特有の特徴が僕は好きだったのかもしれません。

ピアノを辞めたいと思ったことはありますか

ピアノを辞めたいとは思ったことはないのですが、他の職業になりたかったということは沢山あります。
1つは野球選手。これは中学校2年生くらいまで捨てきれなくて、僕は本気でピアニストと野球選手は両立できると思って目指していたんです(笑)。あとは医者かパイロット。でも、中学2年の時のコンクールで1位を獲った時に、野球選手は無理だなと思いました。

これまでに様々な賞を獲得してきていますが、今回ザイラー国際ピアノコンクールで3位入選されました

こんなこと言ったら怒られちゃうかもしれませんが、何度獲っても賞というのは音楽的には意味のないものだなと思います。
例えば、まだクラシックをまだ知らない人や、すでにクラシックのファンでいらっしゃる人でも、音楽を聴く上で賞とかプロフィールは1つの定規にはなるかもしれないけど、それで聴く前から何かを判断してしまうというのは、大きな間違いだと思うんです。「〈音楽のコンクール〉と〈上手さ〉というのは、必ずしも比例していないんだ」ということを証明して見せたいんです。
だけど、それを証明するためには、自分でコンクールを受けてから言わないと信憑性がないじゃないですか。僕がコンクールに立ってもいないのにヤダって言うのは、ただ負け惜しみになってしまいますから。

フジテレビのドラマ「のだめカンタービレ」のピアノの吹き替えを担当しました

「のだめカンタービレ」の前に、来春公開の映画「神童」という映画の吹き替えも担当しました。役者さんというのは売れるだけあって、それなりに才能があって、訓練もされています。
プロだから真似事はすごく上手い。だから、僕が特別なにかをしたというよりは、自分にできる演奏をした上で「こういう風にしたら自然になるよ」とか少し助言して、あとはまかせっきりでした。

「のだめカンタービレ」という漫画があることはご存知でしたか?

すごく売れているというのは知っていました。
ただ昔から漫画を読む習慣がないので、今回弾くことになって、十何冊をまとめて読みました。作者の方が、とてもよく調べていらっしゃると思いましたし、助言する方がしっかりしていらっしゃる方が付いているんだと思うのですが、すごく業界の空気がよく捉えられていて、とても信憑性のある漫画だなと思いましたね。

ピアノを通して伝えて行きたいことはありますか

ザイラーの時にギリシャのクレタ島というところに行ってきました。
僕らが生まれてくるずっと前のものが、まだ残っているということに対して、理屈じゃないなという感覚。
もうそれを目の前にすると、すごくロマンチックだし、これは大切に残していかなきゃいけないんだということを痛感させられるんですよ。クラシックの音楽というのは、建物と違って、楽譜やCDなどでは残りますが形として残らない。僕は、演奏で伝えていくという義務を感じました。
自分の好き勝手に弾くというのではなく、昔に生きていた人がこんな曲を書いたんだということを弾くことによって伝えたい。
例えばショパンの時代には今のような丈夫なグランドピアノはなく、昔は弦がすぐに切れてしまって、あまり力強く叩けなかった。今だからできるようになったこともあるんです。だからと言ってショパンのやってきたことを全て無視してしまうのではなくて、今出来てもあえてそれを制御してまで昔のことを再現するとか、保守的な部分も守っていかなければならない。僕らがやめてしまったら本当に曲や音だけが残って、ショパンがどういう風に弾いていたかということは、近い将来無くなり、わからなくなっていってしまうかもしれない。これは大切に伝えていかなきゃと思いました。

ピアノは、アナタにとってどういう存在

木と鉄のかたまり。ピアノが限界のない表現を起こすのではなく、僕と聴いてくれる人の間に生まれるもの。聞き手、弾き手の心が大切なんです。

来年(2007年)1月30日には杉田劇場でリサイタルがあります

ちょうど、この頃は打ち込みとクラシックをコラボレートしたCDを作成中です。2月にリリース予定なので、他のジャンルの音楽から得たものを活かして何ができるか…。自分自身でも楽しみです。




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